第一章 私たちをとりまく情勢

Ⅰ 国内外をめぐる情勢

1.公務公共の破壊と地方自治の戦後最大の危機

① 今年元日に起きた能登半島地震では、道路の隆起・損壊、家屋の倒壊・火災、断水など深刻な被害が発生しました。全国の自治体職員が翌日から支援に駆け付けましたが、政府の対応の遅れや公共の脆弱さが復旧・復興を遅らせる原因になっています。半年後の7月1日に至っても、ライフラインの完全復旧も、被災家屋の解体もすすんでいません。避難所で2,000人が暮らしていますが、十分な援助はありません。医療や介護の体制が不十分で、支援を要する被災者が在宅で取り残されています。災害関連死も増えています。国がいのちを守るための支援を緊急に強める必要があります。

② 災害対応を続ける自治体職員の過酷な長時間労働の実態も明らかになっています。被害の大きかった輪島市では、管理職を除く事務職の正規職員218人のうち、1月の時間外勤務が100時間を超えた職員が168人に達し、時間外平均も約148時間と、過労死ラインを大きく上回っています。派遣した自治体でも、日頃の人員不足から時間外勤務が増えています。総務省交渉でこの現状について問うと、「非常事態の場合は仕方がない」と安全配慮義務1を顧みないコメントを発しました。自治体職員には、住民のいのちとくらしを守る責任と使命があります。同時に、使用者には安全配慮義務があります。今後も発生する新たな感染症や大規模災害に対応できる常勤職員の増員が急務です。

③ 派遣された職員の多くは、宿泊所とされた床の上に直に寝袋で寝泊まりし、隆起した道路や慣れない雪道での車の運転など、困難な中で懸命に働きました。しかも、「断水でトイレも使えない中では水を飲むことさえためらった」、「時間をかけて行っても作業時間は少なく、もどかしい思いをした」などの声が聞かれました。5カ月後に支援に訪れた職員・組合員は、「復旧・復興はすすんでいない。まるで震災直後のようだ」と言っています。石川県災害ボランティアは、長期間断水が続いていたことや道路被害が大きいこと、宿泊場所確保が困難なこと等もあり、受け入れは、県が一括して管理・調整しています。1月下旬にスタートした市町の要請に応じて派遣する仕組みですが、事前登録者は約3万5,000人に対して、地震から3カ月時点の被災地で活動した一般ボランティアは延べ1万4,000人余りです。同じ時点で比べると、東日本大震災は東北3県で43万人、熊本地震は10万人でした。能登半島地震は圧倒的に少なく、現地に入ったボランティアが10万人を超えるのに、半年近くかかっている状況です。ボランティア不足が復旧の遅れにつながっています。また、地方自治法「改正」に盛り込まれた「地域指定共同活動団体2の指定と事務委託」の先取りではないか、行政の責任放棄にならないかが危惧されます。

④  気象庁は、8月8日の宮崎県日向灘で起きたマグニチュード7.1の地震を受け、「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震注意」発表しました。今回の地震が震源域の一部が破壊された一部割れケースに当たり南海トラフ巨大地震が発生する可能性が相対的に高まっていると判断しました。内閣府の「防災情報のページ」に「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」があります。

 「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合は、日頃からの地震への備えの再確認に加え、地震が発生したらすぐに避難できる準備をする必要があります。地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民は1週間の事前避難を行う必要があります」、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合は、事前の避難は伴いませんが、日頃からの地震への備えの再確認に加え、地震が発生したらすぐに避難できる準備をしましょう」とあります。しかし、すべて自己責任の内容に終始し、国や自治体の責務は明確ではありません。指定地域には4原発7基(運転終了を除く)があるにもかかわらず、原子力規制庁などは臨時情報による運転停止を想定していません。専門家や地元住民から運転継続に懸念の声があがっています。地震大国である日本にふさわしい公務公共体制と対策が求められます。

⑤  公務の職場では、正規職員が減らされ、非正規職員が増加しています。その結果、長時間過密労働が常態化しています。住民のために良い仕事がしたいと入職してもやりがいを感じることができず、仕事に疲弊し離職する若年層が増えています。専門的な職場に配属された職員は、研修もなく、忙しい先輩に聞くこともできず、苦悩し仕事に行き詰っています。長時間過密労働による体調不良やメンタル不全で休職に追い込まれる職員が後を絶ちません。原因は慢性的な人員不足です。住民福祉にも大きく影響を及ぼす事態です。総務省「会計年度任用職員制度の施行状況等に関する調査」(2023年4月1日現在)によると、常勤職員は280万人と、2020年と比べほぼ横ばいだったのに対し、非正規職員は74万3,000人と4万8,000人も増加しています。非正規職員の8割を女性が占め、その多くが年収200万円未満で働く官製ワーキングプアです。非正規職員は、教育や福祉といったケアワークの現場に多く配置され、非正規職員なしには現場は回らない現状になっています。

⑥ 現業職場の民間委託や退職者不補充、任用替えを含む配置換えなどが強行され、現業職員は削減されてきました。しかし、頻発する大規模災害や民間業者の委託返上・倒産・入札不調など不測の事態への迅速な対応や、組合員自ら提起する住民に寄り添った仕事のあり方など、現業職場の必要性を当局に認めさせるとりくみをすすめてきた結果、埼玉・静岡•愛知・大阪・岡山・広島などの単組で現業職員の新規採用をさせました。また「現業大事だ!キャンペーン」を通じて、住民共同のとりくみがすすめられ、直営での現業職員の必要性について住民の理解・共感・支持が広がっています。

⑦ 2003年指定管理者3制度の導入以降増え続ける民営化も、公共的団体から営利目的の企業へと市場化・産業化がすすんでいます。公務公共サービスを担う業務を全国規模で請け負う企業・団体も増えています。昨年、全国150の施設に給食を提供する会社が破綻し、突然学校給食がストップする事態が発生しました。子どもの食事提供や従業員の雇用などに重大な影響を及ぼしました。

6月には、障害者グループホームを運営する福祉事業会社が食材費を過大徴収していたことが発覚し、99カ所の事業者指定の更新を認めない連座制が適用され、2,000人超の利用者に影響を及ぼしています。アウトソーシングを安易にすすめる国や自治体の責任が問われます。国と自治体が直接責任を持つ公共の役割を拡充することが求められます。公共交通も運転手不足や減便・廃便などがすすみ、深刻な事態になっています。政府が労働者の賃金引き上げや助成などの財政支援をしていくことが求められます。

⑧ 地方自治法「改正」による「指示権」付与は、地方分権に逆行するものです。「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」に「指示権」を発動するとしていますが、地方自治体の団体自治と住民自治を侵害するものです。戦争国家に従う公務員づくりが狙われています。戦後最悪の「改正」であり、地方自治の危機です。

地方自治体の情報システムの利用規定は、国がつくる鋳型に地方自治体を従わせようとするものです。独自政策に制約をかけるおそれがあり、地方自治を侵害するものです。また、デジタル化などを通じた民間の活動領域の拡大によって、民間企業の儲けを拡大させる新自由主義の推進もねらわれています。

新たに規定された「指定地域共同活動団体」は、高齢者の見守りや美化活動といった地域課題にとりくむ住民団体・組織を市町村が指定し、支援する枠組みになっています。一見、団体の活動が住民サービスの提供に役立つように捉えられますが、市町村が独自に行政サービス・公共サービスを提供するのではなく、他の民間団体と協力してこれらのサービスを提供すれば足りるという考えが前提となっています。委託を随意契約にし、行政財産を貸し付けることができる優遇措置を規定しています。行政の民営化をいっそう推進するものになりかねません。

大規模災害や新たな感染症パンデミックは、目の前にある「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」です。東日本大震災の教訓と感染症の教訓をいかすのならば、公務公共の拡充と事前の災害対策こそが求められます。過去の教訓をいかそうともせず、住民のいのちとくらしを守りきる体制を構築しようとしない政府の転換こそが求められています。団体自治と住民自治の拡充を通じた地方自治の確立、住民の福祉と権利の実現という地方自治の本来の役割を拡充するための運動が求められています。

⑨  岸田政権は、6月21日に「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定しました。「デジタル化により蓄積されたデータを官民でフル活用した新しい付加価値・サービスの創出」などを通じて「社会全体の生産性を向上させていく」と成長戦略を前面に出していますが、「デジタル社会形成のための基本原則」に個人情報の保護を優先する視点はありません。マイナンバー制度の推進を図るとして、社会保障制度、税制、災害対策分野以外の行政手続きにおいても、2025年通常国会に法案提出をめざすとしています。2024年度末までに運転免許証とマイナンバーカードとの一体化の運用を開始するとしています。地方公共団体情報システムの統一・標準化4についても原則2025年度までに移行できるように環境を整備するとしています。

しかし、今年3月のデジタル庁の発表によれば、昨年10月の時点で、171団体(9.6%)•702システム(2.0%)が移行困難だと答えています。政令市は全20市が「移行困難」リストに入り、25年年度末までに標準化対応が終わらない団体の人口を合計すると、総人口の半分を占めています。現在ある独自機能を新システムに実装するための「標準オプション」への対応など、未解決の課題が残っていることやシステムを動かすガバメントクラウドの利用料に対する不安は根強く、国が定めた運用経費を3割減らす目標もめどが立たっていません。人口150万人の神戸市は、「システムでの独自機能の廃止」を打ち出しました。独自機能の実装に対して国が財政負担しなければ、独自の住民サービスを廃止する自治体が続出するおそれがあります。自治体の独自施策が切り捨てられることがあってはなりません。

⑩  個人情報保護委員会は、6月6日に、2023年度の行政機関における保有個人情報の淵えい等事案等を報告しました。1,159件の個人情報保護法第68条第1項に基づく報告の処理を行い、国の行政機関等による報告は162件、地方公共団体等による報告は997件です。多くは要配慮個人情報を含む保有個人情報の漏えい等でした(国の行政機関等:61.1%、地方公共団体等:80.3%)。

重大な事案として、多数の民間事業者、独立行政法人及び地方公共団体等から委託を受け、株式会社NTTマーケティングアクトProCXが行っていたコールセンター事業に関し、システムの保守運用を同社から委託されたNTTビジネスソリューションズ株式会社の従業者が、委託元の顧客又は住民等に関する個人データ等合計約928万人分を不正に持ち出したことにより、漏えいが発生した事案を報告しています。

7月6日には、自治体や企業から印刷などの業務を受託している「イセトー」がサイバー攻撃によって大量の個人データが流出したことが判明しました。徳島県約14万5,000人分、愛知県豊田市約42万人分、和歌山市15万1,412件が判明していますが、同社は全国の自治体などと取引があり、被害の全容はまだわかっていません。

自治体などが取り扱う個人情報の流出は、絶対にあってはならないことです。安易な業務委託が個人情報の流出を繰り返していることを受け止めた対応が求められます。

本籍地以外の自治体窓口で戸籍証明書を取得できる「戸籍情報連携システム」が7月8日の業務開始から昼前まで交付できなくなりました。今年3月の運用開始直後や5月下旬にも通信回線の不具合などが原因で発行できませんでした。7月19日マイクロソフトのWindowsを搭載したパソコンでトラブルが発生しました。世界で飛行機4,600便以上が欠航し、およそ4万1,000便に遅れが出ました。鉄道や放送にも影響がありました。大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、一部のレストランや土産物を販売するショップでレジが使えなくなるシステム障害が発生し、会計ができない状態になりました。

自治労連は、デジタル庁と毎年行う府省交渉などで、「個人情報の流出はあってはならない」、「過去にもシステムの立ち上げ時やアクセス集中時などにトラブルが発生しているが、検証をしているのか」、「震災で停電が発生した時のことを検討しているか」等について指摘と質問をしてきました。デジタル庁は、「当然求められる水準をしっかり検討している」としながら、検証をしているとは言い切れませんでした。個人情報の流出や繰り返されるトラブルは、原則よりもデジタル推進ありきの強行方針が引き起こしたものです。

2.労働基準法や社会保障切り下げなど国民犠牲を強いる政府

① 厚生労働省は、労働基準法の抜本的な見直しに着手しました。経済環境の変化で「企業は雇用管理の転換を迫られ、働く人の意識や希望も個別・多様化している」ため、「労基法も時代を踏まえた抜本的な見直しが必要」とうそぶいています。

労基法改革の方針をまとめた「新しい時代の働き方に関する研究会」報告書(2023年10月)は、労基法の役割として、「健康を守ることは今後も必要」だが、「労使が望む働き方を妨げず、希望を支える」法制度となることなどを求めています。これに応えるため、労使が合意した場合、労基法の規制を「適用除外(デロゲーション)」にする仕組みの拡大、具体化を検討課題としています。経団連が1月に発表した「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」そのものであり、財界の要求を政府が丸のみするものです。「労使自治」を口実にしながら、労働法制を形骸化し、労働基準法を抜本的に改悪することが政府と財界のねらいです。

岸田首相は、2023年に続き2024年の施政方針演説で、非正規を拡大し、自己責任の押し付けと雇用の流動化をすすめる「三位一体の労働市場改革」を掲げました。労働市場を活発にして労働移動を促進すれば「構造的な賃上げ」が実現できると言っていますが、財界の新たな賃下げ、リストラ政策を支援する以外の何物でもありません。

② マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」の利用促進に向け、厚生労働省は、利用を増やした医療機関に支給する一時金を倍増し、最大40万円としたうえに、期間を8月末まで1カ月延長しました。「よりよい医療を受けることができる」「窓口で限度額以上の支払いが不要」「就職・転職、引っ越し後も健康保険としてずっと使える」などメリットをアナウンスしていますが、個人情報の淵洩など問題もあり、マイナ保険証の利用率は6月時点で9.9%にとどまっています。厚生労働省は、こうした利用促進のとりくみに217億円をかけ、健康保険証の廃止を前にマイナ保険証の普及を加速させるとしています。

ある大手薬局では、「マイナ保険証のみの受け付けになります」と現行の保険証を受け付けなかったことが判明しました。昨年末から薬の処方にあたって保険資格の確認に現行の健康保険証を使うことを取りやめており、謝罪文を出す事態に発展しました。

そんな状況でも、今年の12月2日には健康保険証が発行されなくなるという、国民の声を聞き入れない政府の暴挙がすすめられています。

③ 保育士の配置基準が76年ぶりに改善されましたが、政府は経過措置として「当面従来の基準で運営することを妨げない」としていることから、「子どもたちにもう1人保育士を!」全国実行委員会が4月、全国1,741の市区町村に向けて調査を行いました。基準どおりに配置できない、実施時期も不明とした公立保育施設が約30%あり、正規職員・会計年度任用職員ともに採用が課題と上げている施設が63%ありました。子どもをめぐる家庭環境また子どもの発達は複雑・困難をきわめる現状があり、保育士の仕事の責任は大変重くなっています。子どもの成長と安全安心を守るため、仕事に見合った賃金・労働条件、労働環境の改善で人員を確保することが、配置基準を満たす喫緊の課題です。

④ 能登半島地震は、原発の危険性をあらためて明らかにしました。運転停止中だった石川県志賀原発は、能登半島地震で複数の変圧器で油漏れと損傷、非常用ディーゼル発電機が停止、モニタリングポスト116カ所のうち18カ所でデータを取得できず、県が指定した20の防護施設のうち6施設が損壊するなど重大な影響がありました。また、避難ルート11路線のうち7路線が士砂崩れ等で通行止めになり、避難計画が机上の空論であることを浮き彫りにしました。珠洲市では、住民による粘り強い反対運動によって、2003年に珠洲原発建設計画が断念されていました。もし、珠洲原発が建設されていたら、もし、志賀原発が稼働中だったら、第二の福島原発過酷事故になった可能性があります。

原発の稼働年数延長や新増設はさらなる危険性を増やします。6月26日、原子力規制委員会は、運転開始30年を超えた関西電力大飯原発3、4号機の40年までの運転を認めました。岸田政権が60年超運転を可能にしたGX法制定以来、初の認可です。老朽化した原発であるにもかかわらず、書類審査のみで判断しています。使用済み核燃料を保管する原発建屋内のプールの「空き」は、福井県内で運転する3原発では既に危機的で、大飯原発も5年でいっぱいになります。周辺には複数の原発もあり、同時多発の事故の懸念があり、中止・撤回すべきです。

佐賀県玄海町の脇山町長は5月10日、原発の高レベル放射性廃棄物の最終処分場の文献調査受け入れを表明しました。国が最終処分場の適地を示した「科学的特性マップ」では、町の大半が「鉱物資源があり好ましくない」とされています。「調査受け入れの考えはない」と答弁してきましたが、町議会で調査受け入れを求める請願が6対3の賛成多数で採択されてしまいました。隣接する唐津市などでは、「廃棄物を持ち込むための調査ではないか」との不安が高まっています。

一方、原子力規制委員会は、7月26日に敦賀原発の敷地内に活断層があるとして、2号機が「新規制基準に適合していると認められない」と結論づけました。今後、廃炉を含めた選択を迫られます。

「核のゴミ」の最終処分場もなく、福島原発の廃炉さえ東京電力任せという無責任な政府の対応は、国民のいのちとくらしに責任を持たないものです。政府の責任を追及しなければなりません。そもそも、異質の危険性を持つ原発はなくす以外に対応策はありません。

⑤ PFASは、フッ素加工フライパンや衣類、消火剤、塗料、界面活性剤など生活に身近なものに使われているフッ素化合物質です。化学工場付近や米軍基地周辺の土壌や水質検査で多く検出されています。PFASの使用により、環境汚染は深刻化し、食品や水道水を通して「人体汚染」がすすんでいます。こうした実態を追及する住民団体などの運動を受けて、政府は小規模事業者も対象に水道水の全国調査を実施することになりましたが、世界基準から大きく立ち遅れている規制の強化が求められています。

紅麹問題5などで、機能性表示食品の安全性を置き去りにした制度の欠陥があらわになりました。機能性食品制度は2015年に当時の安倍政権の経済成長戦略の一つとして創設され、届け出だけで機能性表示が可能と大幅に規制緩和が行われました。国民の安全・安心を守らない政府の対応が今回の問題の根本にあります。

⑥ 来年4月開幕予定の大阪•関西万博の開催について、国民から批判の声が広がっています。建設費は約2倍の2,350億円、運営費は約7割増の1,359億円に膨れ上がり、チケットは目標の1割超しか売れていません。会場建設現場でのメタンガスの爆発火災事故(3月28日)では、事故発生から関係機関への連絡が遅れ、政府に報告したのは7時間30分後となっています。しかも、日本国際博覧会協会は、事故翌日に破損した床の一部を写した写真を発表しましたが、天井がへこむなど約100nfが壊れた全容がわかる写真を公開したのは5月27日です。メタンガスはいまも検出されており、安全性が保障できない場所での開催は中止すべきです。

文部科学省は、爆発事故を知りながら「修学旅行等における2025日本国際博覧会(大阪•関西万博)の活用について」という通知を発出。6月14日の国会質疑で「文科省が全責任を負うのか」と問われると「万博協会が安全確保の対策をとりまとめている」と無責任な答弁に終始しました。大阪府は、4~18歳の子ども102万人を学校行事として動員する計画です。安全も担保されていない万博に、何が何でも動員しようとするなど絶対に許されません。

6月19日に万博協会の防災計画が判明しました。7月から9月に多いとされる落雷に対して、大屋根(リング)について「落雷の危険性が高い」、南海トラフ地震が発生した場合は最大15万人が帰宅困難者になると想定。避難計画は、近隣のいずれも人工島である舞洲、咲州に誘導するなどとしています。南海トラフで夢洲が被災した場合、舞洲や咲洲が被災しない道理はなく、完全に机上の計画だと言わざるを得ません。

⑦ 政府は、5年間の軍事費規模を43兆円としていますが、敵基地攻撃能力向けのミサイルや戦闘機などの病額兵器を増やすことで、装備品購入費が膨れあがり箪事費はさらなる拡張になる恐れがあります。

財瀕は不透明であり、当面国債に頼らざるを得ないとみられ、巨額の国民負担が生じる恐れがあります。今でさえ国民負担は重く、くらしにくさは限界を超えています。誰もが安心してくらすことができる持続可能な社会保障制度の拡充こそが必要です。住民•国民とともに労働組合が先頭に立って声をあげるときです。

3.国民の世論と運動が政治を揺さぶる

① 7月4日のイギリス総選挙で最大野党の労働党が650議席中411議席を獲得し、14年ぶりに政権が交代しました。スターマー新首相は、生活水準の改善や公共サービスの立て直しなどに全力を尽くすことを強調しました。7月6日にイギリス・ロンドンで、反戦平和団体や労働組合メンバー、大学生などが、イスラエルによるガザ地区への箪事侵攻に抗議し、即時停戦を求めるデモを行いました。

「イギリスがジェノサイドの共犯者になることをやめるまで、あらゆる形で新政権や新議会に圧力をかけていく」と主張しています。国民の声と運動が政治を動かす力になっています。

イスラエルによるガザヘのジェノサイドに反対する大学生の運動は、米・オランダ・スイスなどでも行われています。米国では、イスラエルに支援を続ける国に対して、大学生の運動が強まっています。ニューヨーク州・ロサンゼルス洲では大学生のデモで逮捕者も出て、警察が学内からデモ参加者を強制排除する動きを強めています。一方でロードアイランド州のブラウン大学の理事会は、イスラエルの講義する学生たちの行動を受けて、イスラエルヘの支援で利益を上げる企業との関係断絶について是非を問う投票を行うと表明しています。

7月7日には、フランスの固民議会選挙で、左派4党の共闘組織「新人民戦線」が182議席を獲得し、議会最大勢力になりました。マクロン大統領の与党連合は168議席でした。事前の世論調査で人種差別と国民分断をすすめる極右政党が政権を取りかねない状況の中で、労働組合や市民、大学生・高校生の団体が「民主主義を守れ」と立ち上がりました。そのもとで、「新人民戦線」と与党連合が選挙協力に合意し、「フランス版野党共闘」としてたたかわれました。共通政策には、マクロン政権の新自由主義的、抑圧的政策との決別、最低賃金の引き上げ、あらゆる人種差別とのたたかいが盛り込まれました。今後、どのような政権をつくるのか、国民の運動が重要になっています。

② スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんから始まった若者の気候変動への活動団体「未来のための金曜日(FFF)は、世界7,500都市1,400万人に広がっています。日本でも若者が立ち上がり、自分たちが求める未来について語り合い、様々な活動が広がっています。8月6日には、日本にくらす若者が、火力発電事業者10社に対して二酸化炭素削減を求める民事訴訟を名古屋地裁に提訴しました。

2024年は、約3年に1度の「エネルギー基本計画」改定の年です。残念ながら日本のエネルギー政策は、気候変動危機に向き合うものにはなっていません。いまだに化石燃料を重視して、石炭火力発電すら維持する姿勢は、COP28でもNGOから批判を受けています。

5月15日、第7次エネルギー基本計画の策定に関する審議会での議論が始まりました。翌16日、「ワタシのミライ」実行委員会は、新しいエネルギー計画を求める意見書を政府に提出し、「エネルギー政策に私たちの声を」と市民参加を求めました。

③ 岸田政権による戦争国家づくりに反対し、憲法をいかした政治の実現を求める運動が起こっています。6月30日に若者憲法集会が東京で開催されました。集会後の銀座パレードには、1,200名が参加しました。用松全労連青年部副部長(自治労連青年部長)は、「日本が憲法を守り平和国家を続けるのか、憲法を壊し戦争できる道を突き進むのか、重大な岐路に立っている」と強調し、「憲法をいかせとアピールし、平和への不安を抱えている青年に届けよう」と訴えました。

沖縄県うるま市では、住宅地の中のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場新設計画が突然打ち出されました。沖縄県知事、うるま市長、自民党県議、地元自治会など与野党が一致して反対を表明しました。その結果、計画が断念に追い込まれました。

④ 7月3日、最高裁大法廷は、旧優性保護法6は違憲であるとの判決を下しました。「憲法13条、14条1項に違反していた」、「旧法の内容は国民に憲法上保障された権利を違法に侵害することは明白で、国会議員の立法行為は違法だ」、「排斥期間の経過後に提訴したことだけを理由に、国が賠償責任を免れることは著しく正義・公平の理念に反し、到底容認できない」と断じました。「当時は合法だった」などと開き直る政治家たちを断罪するものです。

いまジェンダー平等と女性の権利をめぐり、歴史的変化が国内外で起きています。日本では、男女賃金格差を企業に公開させる制度が実現し、同性婚や性別変更の手術要件をめぐって当事者に寄り添う画期的な司法の判決が出され、選択的夫婦別姓を求める運動が広がり、LGBTQなど多様な性を認め合う社会に向けた動きが大きな流れになっています。自治体のパートナーシップ制度の人ロカバー率は8割を超えました。

経団連は6月10日、希望すれば結婚後も夫婦がそれぞれ従来の性でいられる「選択制夫婦別姓制度」の導入を求める提言を公表しました。国際化がすすむビジネスの第一線で活躍する女性が増える中、旧姓を職場で通称として使用する日本独特の仕組みを「企業にとってビジネス上のリスクだ」と指摘し、政府に対し、制度導入を盛り込んだ民法の改正案を、国会に「一刻も早く提出」するよう求めました。経団連がこのような提言を発表するのは異例のことです。

国連では、システム全体で男女比を同率にする実践が積み重ねられています。日本では、ジェンダー平等が世界の中でも大きく立ち遅れています。今年は女性差別撤廃条約が採択されてから45年、日本政府は同条約に批准したにもかかわらずまともにとりくんでいません。

世界経済フォーラムが公表した「ジェンダーギャップ指数2024年版」では、日本は調査対象146カ国中118位、前年の125位からわずかに順位を上げたとはいえ、主要7カ国(G7)では最下位です。15年連続1位のアイスランドでは、「最終的な差別は賃金に反映される」とされていて、賃金で平等を実現することを平等のバロメーターにしています。

いま、基本的人権の尊重、個人の尊厳と法の下の平等を求める声と運動が大河の流れになっています。いのちと人権より経済を優先する新自由主義も、コストカットを優先した非正規労働者の拡大なども基本的人権を踏みにじるものであり、個人の尊厳と法の下の平等を土台にした社会と政治を実現させるため、運動をさらに大きく発展させていくことが求められます。

⑤ 労働組合の存在意義が世界的に高まっています。昨年、米のストライキ7による賃上げが大きく報道され、日本でも東京池袋の西武百貨店のストに対し、労働者・国民の共感が広がりました。24国民春闘においても労働組合によるストライキの運動が広がりました。全労連加盟の労働組合でも、ストライキを構えて春闘をたたかいました。

7月26日のパリ五輪開会式に出演予定の非正規のダンサー200人以上が労働条件と出演者間の報酬格差の改善を求めて抗議行動を展開し、開会式当日のストライキ実施を通告しました。開会式前日に正規雇用のダンサーと同等の待遇を保障することで合意し、ストライキを回避しました。

厚生労働省の中央最低賃金審議会は、7月24日に2024年度の最低賃金引き上げ額の「目安」を全ランクで50円とすることで合意しました。物価高騰のもとで不十分な引き上げ目安ですが、過去最大の引き上げ額になったのは、労働組合をはじめとした世論と運動の結果です。また、全ランクー律額としたことは、全国一律最低賃金制度を求めた運動を反映するとともに、ランク付けが破綻していることを示しています。8月13日現在、40の地方審議会で答申があり、うち20の審議会で今年も中央最低賃金審議会が示した「目安」を1円~7円上回る引上げ額が答申されています。中央審議会の「目安」が低すぎることと、都道府県別の最賃の格差を縮小させる動きが地方に広がっていることが明らかになっています。

1月2日に羽田空港で発生した海上保安庁機と日航機の衝突事故の教訓を踏まえ、7月から日本航空が、ボーイング787の客室乗務員を国の示す最低基準より増やし、すべての非常口へ配置することになりました。労働組合の安全提案を受け止めたものです。しかし、業務マニュアル上の最少客室乗務員数は変更されていません。コスト削減が優先課題になれば、ふたたび後退するおそれがあります。国は、各非常口への客室乗務員配置がすべての航空会社に広がるよう基準を見直すべきです。

⑥ 愛媛県西予市は、2023年2月、西予市立病院等に指定管理者制度を導入すると表明しました。これを受け昨年4月に発足した「西予市立病院などを守る会」は、住民署名の推進や地域医療を守る講演会などを開催し、2024年1月からは4回にわたる住民ビラを全戸配布するなど、住民世論に訴える運動を展開してきました。その結果、4月28日投開票の市会議員選挙で指定管理者制度導入に反対する議員を増やし、6月27日の議会で否決に追い込みました。労働組合と地域住民の共同した運動が議会を動かした結果です。しかし、市長は、否決された同じ議案を再び提出し、7月22日の市議会臨時会では、一人の議員が賛成に回り可決されました。市の手法に批判の声があがっており、今後の運動が重要になっています。

公共を守り、拡充させる運動をすすめるうえで重要な教訓です。労働組合と地域住民などとの共同をさらに広げ、公共を取りもどす運動を発展させることが重要になっています。

⑦ 岸田首相が国民の声に耳を貸さず、大増税と社会保障費の国民負担を増やし続けるもとで、自民党がパーティー券販売を悪用した組織的裏金づくりをすすめていたことに、国民の怒りが沸騰しました。昨年10月から始まったインボイス制度8の対象となった142万事業者は、膨大な事務負担を強いられ、新たな税負担も負っています。国民は1円単位の計算に基づいて納税の義務を果たしています。政策活動費には領収書も不要で確定申告も行わないのはおかしいと怒りの声があがりました。

自民党が提出し6月に成立した改正政治資金規正法は、「抜け穴だらけ」だと国民の怒りにさらに火をつけました。企業・団体献金の禁止に一切触れず、政策活動費を規制法にあらたに書き込み合法化しました。パーティー券購入の公開基準は1回5万円超に引き下げ「透明性を確保した」と言っていますが、総量規制もありません。国民が日々の生活に困窮している下で、政治資金(裏金)で財界の言いなりの政治を続ける自民党の歪んだ政治は終わりにしなければなりません。4月の衆院3補欠選挙では自民が大敗し、続く5月静岡知事選挙でも自民候補が敗れました。7月7日投開票の東京知事選挙では、自民党が自主支援した小池知事が当選しましたが、投票率が5.62ポイントあがっているもとでも前回より75万票減らしました。東京都議会議員補欠選挙で自民党は侯補者を立てた8選挙区中2選挙区でしか当選せず、議席を3つ減らしました。

時事通信の8月の世論調査では、内閣支持率が3カ月ぶりに上昇にしましたが、昨年12月から9カ月連続で1割台にとどまっています。不支持率は53.6%と過半数を超えています。自民党政治を終わらせ、国民本位の政治へと転換させることが求められています。

Ⅱ 岡山県の情勢

1.県内情勢の特徴

① 9月28日、伊原木隆太岡山県知事の後援会が、知事の親族から政治資金規正法上限を超える寄付を受け取っていた問題で、政治資金収支報告に架空の寄付や借入金などを記載したとして会計責任者と事務担当者が略式起訴されました。その後、10月には先の二人にいずれも罰金100万円の略式命令が下されました。

この件に関し、「私たち民主県政をつくるみんなの会」は、10月23日に「知事自身にかかわる問題であり、政治と金の問題で県民の信頼を裏切る行為として、知事自ら事実関係を県民に説明し、政治家としての責任を取るように求める」申し入れをおこないました。しかし、知事は2月になっても、何らの対応も取らず、後援会の収支報告書が修正されることなく、虚偽記載を放置し続けています。

こうしたもとで2月28日に、改めて知事後援会の収支報告書の訂正がされないまま虚偽記載を放置していることについて、知事自身にかかわる問題として自ら事実関係を明らかにし、政治家としての責任を取るよう求める申し入れをおこないました。3月19日に収支報告書が修正されましたが、知事は「説明できるだけの知識を持ち合わせていない」として自ら説明していません。国政では政治資金規正法違反(裏金事件)に対する国民の怒りが広がる中で、県政においてもこの問題をあいまいにしたまま、今秋の知事選挙に出るとすれば、井原木知事自身の資質と責任が問われることは明らかです。

② 11月10日から20日まで全国各地で自衛隊の統合実動訓練がおこなわれました。今回の訓練では、攻撃を受けた自衛隊基地が使用できなくなる事態を想定したもので、11月15日に岡山空港で戦闘機離着陸・燃料補給訓練がおこなわれました。防衛省の協力依頼に井原木知事が独断で応じ、岡山空港の使用許可が出される形となりました。安倍政権時に策定された安保法案に基づくもので、軍事最優先の国家運営が現実のものとなりつつあります。

Ⅲ 笠岡市の情勢

1.笠岡市の情勢の特徴

① 2023年度は小林市長2期目の最終年度でしたが、市長と市議会の険悪な関係は続いていました。大きな事業で言えば、商業施設フロアを賃借し、子育て世代がゆったり過ごせるエリアを整備する「子育てステーション整備運営事業」(事業費9,965万円)、市内の3校が統合した小中一貫となる新小学校の新築等をおこなう「小中一貫校整備事業」(事業費1億6,737万円)などがこの間に否決されています。

②  12月には、笠岡市内で離島へ渡るフェリーを運航している三洋汽船株式会社が、白石島へ渡るカーフェリーの運航を休止すると発表しました。長期的な利用者減少に加え、船の老朽化、燃料価格高騰により運航の継続が困難になったためとされていますが、島民の生活への影響は甚大です。その後、別の事業者が白石島を経由する航路の増便をおこない、フェリーの便数は以前とさほど変わらない状況が続いていますが、今後については不透明な状況が続いています。

③  同じく12月に小林市長のパワーハラスメント発言と疑われる音声データが公表され全国ニュースで報じられることとなりました。過去にも高速道路でシートベルトをせず、運転手をしていた職員が交通違反で検挙された件や、災害時に避難所のベッドに横たわってピースサインをしていた件、旧統一教会の関係団体「ピースロード」に市から支出をしていた件など、数多くの問題を起こしていましたが、今回も大きな問題となり、同12月に制定された笠岡市ハラスメント防止条例に基づき、第三者委員会が設置されることとなりました。第三者委員会による関係者等への聞き取り調査は、現在も続いています。

④  4月14日に笠岡市長市議会議員選挙が実施されました。4月14日に投開票が実施され、現職の小林市長は3期目を目指したものの落選、栗尾典子新市長が誕生することとなりました。市議会議員も現職2人が落選し、新人議員が9人中7人当選、元職も市議へ復帰するなど市政が大きく転換した瞬間となりました。栗尾典子新市長は笠岡市議を1期務めており、重点政策として市民の移動手段の確保、笠岡湾干拓地の臭気対策、各種子ども関連費用の無償化、市民病院建替・常勤産婦人科医の確保などを掲げています。

⑤  9月20日の市議会全員協議会の場において、市執行部が笠岡市財政の収支見通しについて「笠岡市の財政は危機的な状況であり、このままでは来年で財政調整基金残高が底をつく」との見解を示しました。昨年度までの財政状況から一転、厳しい状況であるという市からの発表に、市民からは「非常に不安」「市のイメージが悪くなる」「どうすればいいのだろうか」という声も聞こえており、現状の説明だけではなく、今後の市政運営の方向性を早期に示すことが求められています。


  1. 企業や組織が従業員の健康と安全に配慮する義務のこと。「企業は従業員が常に安全で働きやすい環境で仕事できるよう配慮しなくてはならない」ということは、労働契約法の第5条に定められている。 ↩︎
  2. 高齢者の見守りや美化活動といった地域課題の解決に取り組む住民団体・組織を市町村が指定し、支援する枠組みのこと。 ↩︎
  3. 地方公共団体が、公の施設の管理を行わせるために、株式会社をはじめとした営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させることができる制度またその指定を受けた団体。 ↩︎
  4. 自治体の基幹システムにおいて、住民サービスに直結する20業務を、国の示す標準仕様に合わせた標準化システムへ移行する取組。 ↩︎
  5. 小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題のこと。 ↩︎
  6. 障害のある子どもを「不良な子孫」と規定し、社会全体のためには、そうした子どもが産まれてこない方が良いという考え方(優生思想)に基づいた法律。その目的のために、遺伝性の疾患や知的障害、精神障害などがある人に対して、本人の同意がなくても強制的に不妊手術を行うことも認めていた。1948年に制定され、1996年まで施行されていた。 ↩︎
  7. 労働関係事項に関する主張を貫徹するため、労働組合の統一的意思に従って、労働者が労働力の提供を拒否する行為。 ↩︎
  8. 複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式で、正式名称は「適格請求書等保存方式」。一定の要件を満たした適格請求書(インボイス)を売り手が買い手に発行し、双方が適格請求書を保存することで、消費税の仕入税額控除が適用されるようになるが、適格請求書がなければ仕入税額控除は適用されない。もともと免税事業者であった年間の課税売上高1,000円以下の小規模事業者も課税事業者になる必要があり、これまで免除されていた消費税を納付する必要が出てくることから、反発の声が上がっている。 ↩︎